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鉄路を駆け抜ける黄色い車両。彼らの愛称は"Dr.Yellow"。時刻表にも乗っておらず、毎日走っている訳でもない。だからこそ、見かけた者は幸せになれるのだとか。…そんな噂を持つDr.Yellowの車内には機器類が整然と並んでいる。その名の通り、線路の歪みを始めとして架線や信号の状態などを点検する役割を担っている車両だ。新幹線の安全運行を支える陰の立役者と言ったところだろうか。嘗てのT2編成やT3編成の時代は夜間が主な仕事時間帯だったが、2000年にT4編成が業務に就くと日中の臨時列車の合間を縫って走れるようになった。約10日に1回の割合で東京と博多を通電ダイヤで往復。また3ヶ月に2回程度は同区間を停電ダイヤで往復し、新幹線の安全神話を支えている。
…今日も幸せを呼ぶ黄色い風が軽やかに鉄路を吹き抜けた。
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