*** CONTENTS *** 01.March Onward 02.Making Every Effort 03.Try My Best


 続く『奮闘編』は2012年08月の東北遠征を締め括る最終日の08月15日の活動を綴った撮影紀行です。15日は朝から田沢湖線角館付近及び田沢湖付近へと足を延ばし、E3系とE6系の勇姿を引き続き狙っていました。14日程密度は濃くありませんが、それでもまだまだお楽しみ頂けるカットが幾つも登場するとかと思いますので、是非とも引き続いてご覧下さい。

15-1.玉川を吹き抜ける茜翠の風
 15日は07時半過ぎに宿を出発し、角館〜鶯野間にある玉川橋梁へ。この場所も田沢湖線屈指の名撮影地です。今回は早朝の上り列車を右岸側から狙ってみることにしました。現着後、程無くしてZ8編成充当の5078Mが登場。緊張するも、何とか気持ちを落ち着かせて勝負に挑みます。
5078M →   
 結果はどうにか無事に迎撃成功。澄んだ青空にE6系の茜色が映えて、良い感じの一枚に仕上がりました。ただ、右岸側の堤防直下が思った以上に殺風景だったことから、悔しい気持ちも何となくしないではありません(溜息)。画面下半分の殺伐感がどうにも気になってしまって…(汗)。午後に左岸側から狙ったカットばかり出回る理由も何となく分かった気がした瞬間でした。という訳で、昼下がりに再びリベンジを賭けること誓い、ここは一旦潔く撤収することに…。
15-2.仙岩の決戦 −第一幕−
 玉川橋梁から一旦離脱すると、続いては田沢湖〜赤渕間の有名撮影地へと赴きました。09時半過ぎに現地入りすると、早速カメラを出して念入りに態勢を整えます。20分程待つと、いよいよ最初の標的としていた3028Mが仙岩峠の入り口に差し掛かり、こちらに迫って来ました。
3028M →   
 早め早めに動いたこともあって、何とか成功。ピント精度も良い感じですし、満足のいく出来栄えになりました。この場所には2010年12月にも訪れましたが、あの時は雨模様故に煮え切らない想いもありましたし。そのリベンジを今回無事に果たすことが出来、光栄に思っています。
 3028Mとの一戦を終えると、次は蛇行する生内川の川岸に降りて下り3003Mを迎え撃ちます。ただ、15日も仙岩峠内で引き続き徐行制限が掛かっており、列車がいつ現れるのか全く読めない状況でした。迎撃準備が整うと、あとはひたすら3003Mの登場を根気良く待つのみです。15分近く待ったでしょうか。集中力もそろそろ限界かと思われた次の瞬間、茂みの影からZ12編成が勢い良く登場。遂に待ち侘びた瞬間を迎えるに至ります。


 ↑ 3003M


 ↑ 3030M
 茂みから飛び出した車両が切り位置へ到達するまでに多少余裕があったので、何とか思い描いた位置で仕留めることが出来ました。緊張感を途切れさせずに待っていて良かったです。見上げた構図故、自然の雄大さが一層際立つ一枚に仕上がりました。09日の豪雨で生内川の水位が上昇していたことも相俟って、迫力も二割増しですね。諦めずに粘った甲斐がありました。
 3003Mの通過を無事仕留めたら、すぐさま初戦の地へと帰還。その足で11時過ぎにやって来た3030Mも併せて捕獲しました。立ち位置を少し田沢湖寄りに変えたことで、初戦とは雰囲気が少し異なる一枚に仕上がったと思います。私的にはどっちの構図も迫力満点で、E3系の魅力が存分に引き出されている印象に感じられました。また機会があれば、どちらかの構図で山間を走行するS51編成の勇姿も狙ってみたいですね。
15-3.Revenge Match
 3030Mを無事捕獲した後は、3025M狙いで早朝に一戦を交わした玉川橋梁に再度向かいます。次の狙いは3025Mと3007Mでした。今度は左岸南側に陣を構え、川を渡った直後の下り列車に照準を当てて勝負に挑みます。


 ↑ 3025M


 ↑ 3007M
 現着後準備していると、すぐに3025Mが姿を現しました。一発本番だったので緊張しましたが、無事捕獲に成功。いやいや、失敗しなくて本当に良かったです。もしここで失敗していたら、仙岩峠からわざわざ車を走らせて来た意味が無くなってしまいますからね。3025Mとの一戦を制した後は、15分後ろを走っているであろう3007Mを待って再び迎撃態勢を整えます。が、しかし…。15日は待てども待てども標的の3007Mはやって来ず(汗)。結局、定刻よりも40分近く遅れての通過となりました。撮れはしましたが、光線状態もかなり微妙な時間になりつつあったため、また近いうちにリベンジしに来る必要がありそうです。今度は車体側面にもしっかりと陽が当たる午前中に狙いに来たいなぁ。
15-4.仙岩の決戦 −第二幕−
 玉川橋梁から撤収した後は、再度田沢湖〜赤渕間の撮影地へ。午後も引き続き仙岩峠で活動を続けます。移動中に分厚い雲を眼にしたので、戻っても曇りだったら…という不安が過ってはいたのですが、幸いにも現着後すぐに天候が回復。これで一安心ですね。午後は午前中にも訪れた生内川の川岸の撮影地で、やって来る列車達をまったりと迎え撃ちます。
 ← 3036M
 暫く待っていると、大曲方面からZ10編成充当の3036Mがやって来ました。山々の翠色と生内川の清々しい水の色、そしてE6系の鮮やかな茜色が程良く調和した一枚になったと思います。その後暫くすると、今度は盛岡方面よりR21編成が颯爽と姿を現しました。
 ← 3031M
 こちらは突然茂みから飛び出して来たので、ちょっとびっくりでしたね。でも、峠の麓で巡航速度が遅いだけあって、何とか思い描いた位置で列車を仕留めることに成功。失敗しなくて良かったです。澄んだ青空が気持ちの良い一枚に仕上がりました。E6系とE3系の順光での勇姿を無事一枚ずつ手中に収めることが出来たので、この時点でとりあえずの目標は達成と言ったところでしょうか。
5084M →   
 14時半過ぎには、大曲方面から5084Mが通過。後追い故だったことが功を奏し、落ち着いてシャッターを切ることが出来ました。定刻よりも少し遅れてやって来たので、先に通過した3031Mを刺巻か田沢湖で待っていたと思われます。始めは不穏な兆しが見えた空模様も蓋を開ければ終始安定しており、三本とも満足のいく出来栄えに仕上がったので、充実したひと時を過ごせました。
 5084Mの勇姿を無事手中に収めたところで、この場所での活動は終了です。まだ15時前とは言え、家路に就く日ですからね。名残惜しいですが、距離が距離故にそろそろ帰りのことも考えなくてはいけない時間になってしまいました。15日は日本海側から帰る予定でいたので、仙岩峠に別れを告げて西へと向かいます。
15-5.The Fascination of Serpentine Curve
 秋田道協和ICを目指して刺巻〜神代間を走っていると、そろそろ後ろから遅れている3015Mが追い着いて来るだろう時間になっていました。折角列車がやって来るのにそれを車の中からただ見送るだけというのは非常に勿体無いので、ここは少しだけ寄り道することに。S字カーブが連続する区間に車を停め、足早に準備を進めます。暫くすると、予想通りZ8編成充当の3015Mが登場。迫力満点のS字カーブを抜け、こちらに迫って来ました。
 ← 3015M         
         5086M → 
 出来栄えはまずまずでしょうか。時間にそれ程余裕があった訳ではないため、ピント精度や構図にもう少し改善の余地があったのかなと思います。次にこの場所で狙う機会があれば、その時には今回の反省点に注意して撮影に臨みたいものです。
 3015Mを狙い終えると、次の5086Mもすぐにやって来そうだったので撮影を続行。別の場所へ急いで移動し、臨戦態勢を整えました。すると、程無くして大曲方面からR15編成が登場。緊張しましたが何とか無事に迎撃成功です。この撮影地には、2012年秋の東北遠征の際にS12編成の返却回送以来の再訪になるでしょうか。刺巻〜神代間では線路が山間を縫って敷かれているため、魅力的な撮影地も数多く存在しています。次にこの地を訪れる際には、是非ともじっくりと腰を据えてカメラを向けたいものです。あとは、何とかしてS51編成の勇姿を捕えられたら本望かなぁ。
 5086Mを見送ると、2013年08月の東北遠征における活動も遂に全て終了。あとはいよいよ長い長い帰り道を残すのみとなりました。本来ならば田沢湖線内ではどの場所でも14時過ぎから日没までの間が一番の撮影時なのですが、帰りのことを考えてここは我慢です(悔)。あまり欲張って日没時まで秋田県内に滞在していると、翌日未明までに自宅に帰り着かなくなってしまうことが往々にして考えられましたからね。
15-6.想定外の帰り道
 順調に日本海側を南下し、21時頃には日本海東北道荒川胎内ICへ流入。このままのペースで行けば、何とか未明までには自宅へ帰り着く…この時はそう思っていました。しかし、北陸道を南下する中で、長野道塩尻北ICから岡谷IC間が長時間通行止になっているという情報が入電。ここに来て一気に不穏な空気が漂い始めます。これには驚きましたよ。どうやら諏訪湖界隈に襲来した記録的なゲリラ豪雨が原因だとのこと。その後も時折ハイウェイラジオに耳を傾けていましたが、日付が変わる頃になっても、一向に当該区間の通行止めは解除されません。既に夜空は普段の穏やかさを取り戻しており、大雨の気配などとうに無くなってしまってはいたのですが、それでも通行止…(汗)。仕方ないので、塩尻北ICで一旦高速を降り一般道を使って岡谷ICまで向かわざるを得なかったのです。その後岡谷ICから高速に復帰するも、一連のごたごたで遂に眠気が限界点に…(汗)。結局は、中央道小黒川PAでエネルギー切れとなり、未明までの帰還は果たせず終いでした。結果、帰宅時間は16日の午前中に順延。折角夕刻の田沢湖線での活動を断腸の想いで諦めて帰路に就いたのに…という悔しさが最後の最後で残ってしまいました。ただまぁ、現地出発時にはまだそんなことになるとは誰も予想していなかったでしょうから、こればかりは仕方の無いことだと割り切るしかないのでしょう。次に赴く際には、昼下がりの田沢湖線内にて思う存分撮影に励みたいものです。

▼.あとがき
 2013年08月の東北地方への遠征では、やはり何と言ってもE3系及びE6系を始め東北・山形・秋田新幹線で活躍している車両達の勇姿を沢山記録することが出来たことが一番の収穫でした。比較的天候にも恵まれ思う存分活動出来たので、充実した四日間を過ごせたと思っています。
 さらには道中ご一緒して下さった方々のお陰様で、より一層旅を楽しむことも出来ました。特に、14日に奥羽本線沿線を一日掛けて案内して下さったT様には心から感謝しております。ここに、この場をお借りして、今回の遠征に関わって下さった全ての皆様に対してお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。また、いつも当サイトにお越し下さっている皆様には大変感謝しております。ありがとうございます。  これからもご来訪下さる皆様方のご期待に添えることが出来るように努力して参りますので、当サイトを末永く宜しくお願い致します。
 さて、秋田新幹線の顔として登場時より16年間活躍を続けて来たE3系0番台もいよいよ終焉の時を迎えつつあります。半年後に迫るダイヤ改正にてその役目を完全にE6系へと引き渡し、引退してしまうE3系R編成。距離が距離だけあって致し方ない面もありますが、今までなかなか思うようにその勇姿を狙えに出向けなかったことが悔やまれる今日この頃です。09月28日からはE3系の運用がさらに減り、『探さなくては巡り会えない車両』になってしまいますが、それでもあと一回くらいは、最後の頑張りを続ける彼らの勇姿を雪舞う東北路に捕えに行けたら良いなと考えています。
 また、山形新幹線向けの1000番台や2000番台に関しても、来年に掛けて塗装が変更されるという発表がマスコミを通じてつい先日なされました。山形新幹線内でのE3系の勇姿はまだ満足に狙えていないので、こちらも時間を見つけてもう一回くらいは撮影に赴きたいものです。さらに、今年初めに国労東日本本部が公開した資料によると、引退した一部のR編成は山形仕様のLR編成へ改造される予定とのこと。改造対象の編成や詳細な内容等はまだ明らかとなっていませんが、この件もとても気になりますね。いずれにしても、東北路を駆け抜けるE3系にはこの先一年間で大きな変化が訪れるでしょう。そんなE3系の今後を気に掛けながら、今は彼らとの再会の時を楽しみに日々の日常を過ごすばかりです。
*** 奮闘編 終 ***
*** こまちに魅せられた夏休み 完 ***
2013.09.23 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS



BACK TOP CLOSE
inserted by FC2 system