この第16章『再攻編』は11月13日と2011年秋の遠征最終日の11月14日の二日分の活動を綴った撮影紀行です。12日の夜を含めれば、後半の二日間は秋田県→福島県→山形県→青森県→秋田県→宮城県と、東北地方を嘗て無いほど大移動して活動を繰り広げていました。移動手段が車だったので量自体は少なめですが、密度は十分に濃いかと思いますので、どうぞ最後までご覧下さい。
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11/13
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秋田車セ
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S12
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5932M - 5932B - 5933B
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11/14
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仙台総車
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S11
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9780B - 9781B - 9782B - 9783B - 9784B - 9785B - 9786B - 9787B
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仙台総車
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S12
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9780B - 9781B - 9782B - 9783B - 9784B - 9785B - 9786B - 9787B
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13-1.初探訪、十和田観光電鉄
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13日朝、車の後席で目を覚ました私が居たのは青森県十和田市です。この日の日中は新幹線から少し離れて、2012年春で廃線となってしまう十和田観光電鉄沿線へ。何でもイベント時にしか走らない旧型の電車が走るということだったので、私も少しだけその勇姿を狙ってみました。
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可愛らしいデザインが印象的なモハ3400形や、ED300形電気機関車に貨車と客車を混結させて走る姿など、私にとっては新鮮な光景ばかりでしたね。生憎の曇り空ではありましたが、そのぶん光線状態を然程気にせずに撮影出来たのは有難かったと思っています。
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13-2.田沢湖畔に吹く紅玉の風
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日中に十和田観光電鉄沿線での活動に勤しむと、夜は再び秋田県へと移動。次なる標的は、秋田車両センターから仙総所への帰路に就くS12編成です。今回の臨時回送は往路もそうでしたが、復路もまた一部の駅では営業時間内に駅構内から狙えるダイヤでした。そこで、3039Mと交換するために停車時間が若干長めに設定されていた田沢湖を復路の決戦の地に選び、一戦を挑むことにしたのです。
21時過ぎに駅前へ着くと、万全の準備で構内へ。早速決戦に向けて準備を始めます。一通りカメラの設定が終わったら、次は撮影手順を仲間内で打ち合せ。他の駅よりも停車時間が僅かに長いとは言え猶予は1分少々しかなかったので、念入りに動きを確認してその時を待ちます。…その十数分後。上りホームに列車到着の案内放送が入電すると、いよいよ5932MことS12編成が構内へと滑り込んで来ました。
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← 5932M
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いやいや、もう『格好良すぎ』の一言に尽きますよ。11日夜に秋田で迎え撃った時は二線空きで狙っていたこともあってそれ程迫力を感じませんでしたが、今回は全然違いました。鼻はとても長いですし、何より茜色の車体から感じられる強烈な存在感がひしひしと伝わって来ましたからね。数年後に田沢湖線を走る光景を見るのが待ち遠しくて仕方ないです。3039Mとの交換、すなわちE3系R編成との並びは惜しくも失敗してしまいましたが、私としてはこの編成写真一枚が撮れただけで満足です。こうして5932Mの発車を見送ると、13日の活動も漸く終了。あとは車を再び宮城県内まで走らせて、大崎市内のホテルへと向かいました。
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14-1.公試を迎え撃つ
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翌14日は09時頃に起きて旅支度を整えます。疲労困憊だったこともあって、チェックアウト少し前まで爆睡していました。仲間の方々とは前夜ホテルにチェックインする際に一旦別々になったため、14日の午前中は単独で動くことにし、まずはU8編成の公式試運転を撮影すべく古川駅へと繰り出します。下りホームで撮影準備を整えると、11時10分頃にU8編成が構内へ突入して来ました。
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9711B →
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本線走行初日だけあって、車体もピカピカで清々しい気持ちになりましたね。ただ、これだけ綺麗だとやはり陽の光の下で撮りたくなってしまうのが性というものなのでしょうか。またいつかU編成の公式試運転を狙う機会があれば、その時こそは晴れて欲しいものです。
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14-2.Return Match VS. S12 / S11 - 9781B
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古川駅での一戦を終えると、14日もレンタサイクルでお立ち台近くの撮影地へ。この日も10日と同じダイヤでS11編成とS12編成の併結走行試験が行われるとのことだったので、先を急ぎます。ただ、古川駅で3Bまで撮影していたことが仇となり、現地到着は本命の併結編成が通過する直前になってしまいました(汗)。まだ息が荒い中ではありましたが、シャッターポイントを慎重に見極めていざ勝負!
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← 9781B
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通過ギリギリの現着でしたが、何とか無事に迎撃成功です。撮影地である丘の上に上がってカメラの設定を整えると、5分と経たずして併結編成が登場しましたからね。いやはや、間に合って本当に良かった…。これで10日のリベンジを果たせました。お昼時の下り列車はやはり曇ってくれないと色が出ないですね。曇りの度合いも丁度良い感じで、納得のいく一枚に仕上がったと思います。
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14-3.大松沢の決戦〜再び〜
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9781Bを迎え撃った後は再び大松沢のお立ち台へ戻り、北上から上ってくるU8編成を捕えました。ただ、こちらは何故かピンを外すという…(汗)。掲載している画像程度の大きさならばあまり分からないので、誤魔化せているような感じもしますが、やはり悔しさは否めません。お立ち台でもまた機会があれば、快晴の日のバリ順な時間帯にE5系の量産編成を狙ってみたいものです。
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9712Bを狙い終えると、立ち位置を少し変えて併結編成を再び捕えるための準備を進めます。前夜に一旦別々になった仲間の方々ともここで再度合流。撮影準備が整うと、話に華を咲かせながら上り9782Bがやって来るまで待機していました。14時35分、いよいよ決戦の時を迎えます。緊張感が徐々に高まる中、近づいて来る併結編成の動きをよく見ながら、気合の一発!
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← 9782B
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天候は致し方ないので置いておくとして、それ以外は無事自分の思い描いた通りの出来に仕上がりました。これで10日の様に晴れてくれたら最高だったんですけどね(汗)。まぁそこまでは叶わずとも、短期間でこのように二回も併結走行試験に立ち会えたのは貴重な経験だったと思っています。因みに、1往復目の撮影ではそれぞれ併合部より後ろの部分も忘れずに撮影しました。編成番号が大きく写る構図ではないですが、こういったカットも良い記録になりますね。
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↑ 9781B
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↑ 9782B
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9782Bを撮り終えると、急ぎ足で9783Bの迎撃地点へと移動。先に構えていた仲間の方の隙間に入れさせて頂いて、同列車がやって来るのを待ちました。この9783Bを撮ったら撤収予定だったため、気合いも十分です。時刻は15時過ぎ。遠くにS12編成の前照灯が光ると、いよいよ2011年秋の遠征における最後の一戦を交わす時がやって来ます。
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↑ 9783B
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↑ 3028B
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結果は無事合格圏内といったところでしょうか。雲が厚く、光量がだいぶ減っていたので、シャッター速度が稼げず冷や冷やものでしたよ。光線状態が悪い中だったとしては、奮闘した方かなって思っています。最後は9783Bの5分程後にやって来た3028Bを捕えると、それで以て2011年秋の東北地方での五日間に渡る撮影活動も漸く終了。あとは一般道と高速道路を乗り継いで、12時間以上かけて中部地方へと帰還しました。
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▼.第14章〜第16章執筆を終えて
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2011年秋のこの五日間に渡る東北地方への遠征では、秋田車両センターでのS12編成車両見学会に参加したり、S11・S12両編成の走行試験をここぞとばかりに狙い撃ったりと、とても充実した日々を過ごすことが出来ました。10日は大松沢のお立ち台でS11編成を先頭に突っ走る併結編成の勇姿を満足の行く成果で収められましたし、それ以外の日でもS12編成を主としてその勇姿を沢山狙えたので嬉しく思っています。勿論全てが上手くいった訳ではないため、悔しい思いをした面もありましたが、これだけの密度の濃さと充実感を考えればそれらの失敗を含めても行った甲斐は十二分にあったことでしょう。
また、五日間という長きに渡る今回の遠征は、数多くの方々のご支援があったからこそ実現出来たと言っても過言ではありません。さらには、道中にご一緒して下さった方々のお陰様でより一層旅を楽しむことも出来ました。
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ここに、この場をお借りして今回の遠征に関わって下さった全ての皆様に対してお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。また、いつも当サイトにお越し下さっている皆様には大変感謝しております。ありがとうございます。
これからもご来訪下さる皆様方のご期待に添えることが出来るように努力して参りますので、当サイトを末永く宜しくお願い致します。
さて、2011年03月05日にE5系が営業運転を開始してからあと少しで一年を迎えようとしています。営業運転開始直後から10号車の"GranClass"は大変な人気ぶりで、それは今も変わりありません。2011年03月11日に発生した東日本大震災の影響で少しの間は活躍の場が限られてしまったE5系でしたが、今後は東北・上越新幹線の次期主力車両として大いに活躍していくことでしょう。またそれだけでなく、E5系の存在は今後登場するであろう北陸新幹線用のE7系や、北海道新幹線開業時に登場するであろう新型車両の礎としても非常に大きな意味があると私は考えています。
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一方で、この連載遠征旅行記の主役でもあるE5系の先駆者S11編成に関しては、2011年度が終わろうとしている今でも量産化改造には回されず、"S11"として各種試験を継続しています。ただ、当初の予定では恐らく2012年03月のダイヤ改正までにはU1編成として営業運用に就くための準備を終える予定だったのではないでしょうか。それが、震災の影響で走行試験が中断してしまったため量産化改造の時期も延期せざるを得なくなってしまった、と考えれば納得行くような気もします。だとすれば、同編成が"S11"として存在している期間はどのみちあと僅かなのかも…。長期耐久試験で頻繁に走行しているところを見るとついその貴重さを忘れがちですが、沢山見られるうちに少しでも多くその勇姿を記録しておきたいものです。
他方で、E6系S12編成に関しても、2011年秋から漸く日中の仙台〜北上間にて走行試験を行う頻度が増え、陽の光の下でも少しずつその姿を見ることが出来るようになりました。
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しかし、田沢湖線内での走行試験は未だ深夜時間帯しか実施されておらず、同線内で昼間にS12編成を見られる機会がまだ先である可能性も否めないのが実情です。とは言え、S12編成にも直に長期耐久試験を行う時期が来るでしょうから、新幹線区間内においては日中に頻繁に見られるようになる日はそう遠くないような気もします。何れにせよ、S12編成に関してはまだまだ謎多きことばかりですが、S11編成と同様に…或いはそれ以上に注目すべき存在であると言っても過言ではないでしょう。
増備が続くE5系と、その裏で懸命に走り込みを行う量産先行車のS11編成。そして、まだまだ今後の動向の読めないE6系量産先行車のS12編成。そのような状況だからこそいつ何時でも『後悔だけはしたくない』という想いが私の中では強く根付いています。2012年度はS11・S12両編成にとって大きな転換期となる可能性も高いため、そのような時こそ『あの時出向いておけば…』という悔しい想いだけは極力したくないと考えています。
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まだ雪の中を疾走する両編成の姿も捕えられていないので、もしも可能なら『2012年の春先までを目途に再び東北地方へ出陣し、雪煙を上げるS11編成やS12編成の勇姿を可能な限り追い掛けたい』という願いを叶えたいものです。また、もしその願いが叶わずとも、S11編成に関しては同編成が"S11"であるうちに、もう一度くらいはその勇姿を追えたら良いなと考えています。S12編成に関してもまだ日中のカットは少ないので、陽の光を浴びて疾走する姿を少しでも多く捕えられたら嬉しい限りです。そんな数多くの夢や願い達を東北地方に吹く茜翠の風へと乗せて、今後も可能な限り彼らを追い続けていきたいものです。
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*** 第16章 再攻編 終 ***
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2012.01.15 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS
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◆.追記
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2011年11月にE5系S11編成・E6系S12編成を追い掛けてから、早くも10ヶ月近くが経った2012年09月下旬のこと。S12編成が奥羽線・田沢湖線内において深夜時間帯に走行試験を行うということで、五泊六日という万全の態勢を整えて、久々に東北地方へ赴いて来ました。現地では、新幹線区間内で走り込みを続けるS11・S12編成の勇姿と奥羽線・田沢湖線内におけるS12編成の貴重な姿を可能な限り追撃。また併せて、旅の初日には2012年秋の東北遠征の序章として上越地方を経由して東北地方へと向かい、新潟にて定期運用終了間近のE1系の勇姿も記録しています。現地での主な移動手段が在来線や車だったので、一日当たりの撮影枚数は決して多くはないかもしれません。けれども、密度はその分とても濃くなっていると思います。そんな2012年09月の東北遠征の模様をお伝えしているのが、次の第17章『激戦編』から第21章『混戦編』の五章です。それでは、引き続いてどうぞ〜。
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2013.04.07 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS
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