続いては、21日後半分の『探求編』です。まだまだ見応えはたっぷりありますので、是非とも最後までご覧下さいね。 |
21-7.3026B(J4編成): 八戸16時57分発→いわて沼宮内17時21分着 | |
八戸からはS11編成より一足先に3026Bでいわて沼宮内へ先回りです。E954形の走行試験の時は定期列車の前を露払いする形でダイヤが組まれていたため、八戸で下りを狙った後でいわて沼宮内へ移動して上りを迎え撃つということが出来なかったんですよ。その点今回のS11編成の試運転では、幸いにも定期列車の後を追い掛ける形でダイヤが組まれていたため、このような先回り作戦を実行出来たという訳です。乗車時間はおよそ25分。車内では八戸での戦いを振り返りながら撮った写真の整理をしつつ、束の間ではありましたが寛ぎのひと時を過ごしていました。 |
21-8.夕暮れ時の沼宮内 |
17時21分にいわて沼宮内へ入った私は、急いで後続を追い掛けて来るS11編成を迎え撃つ準備を開始。徐々に日没が近づいていたのと太陽が雲間に隠れてしまったこともあって、光量不足な感は否めませんでしたが…(汗)。でも、晴れたら晴れたで恐らくは防音壁の影が車体に掛かってしまって見苦しい時間帯だったでしょうから、結果的には薄曇ってくれて良かったのだろうと考えています。 でも、このいわて沼宮内での9886B迎撃に際しては、実は不安材料がまだもう1つありました。それは3023Bの同駅着発時刻と9886Bの通過時刻がかなり競っていたことです。17時30分過ぎに上りホームへ通過列車接近の案内放送が入電して間もなく、下りホームにも3023B到着の案内放送が入電。3023Bの到着が早いか、9886Bの通過が早いか正に微妙な状態でした。被られたらどうしよう…、そんな不安に苛まれながら八戸方向に目を凝らしてS11編成の通過を待つ私。すると、3023B到着の案内放送が終盤に差し掛かった頃、漸くS11編成が遠くに見え始めました。後ろから3023Bがやって来ていないことを確認し、全神経を前方へと集中。近づいて来るS11編成。シャッターチャンスは今しかない!! |
← 9886B |
ここでS11編成の勇姿を押さえることが出来なければ、出撃した意味が半減とは言わないまでも、かなり減ってしまう…そんな不安な想いに駆られながらの数分間というのは本当に長かったですね。でも、何とか無事迎え撃つことが出来て本当に良かったです。確かに、日没時だったたことを踏まえると撮影条件としては決して最良とは言えません。とは言え、編成番号の"S11"という文字も原寸大では何とかと確認出来ましたし、迫力も満点。そういった意味では、被りのリスクがかなり高かったものの結果的には二戸ではなくこのいわて沼宮内に賭けてみて正解でした。 |
さてさて、9886Bの通過を無事捕えられたところで、このいわて沼宮内での決戦も早々と幕を下ろします。あとは次の盛岡方面の列車を待つのみ。が、しかし…このいわて沼宮内は2時間に1本しか停車列車がありません。ということは、次の列車は19時22分発の3030Bということになります。加えて、上下共に列車が行ったばかりで次の通過列車も約40分後という状態。まぁ、いわて沼宮内で撮影する時はいつもそんな感じなので最近は慣れてしまいましたけどね(汗)。 |
9886Bを見送った40分後、辺りが夕闇に包まれる中3028Bがいわて沼宮内にやって来ました。光量が少ないため、流し撮りで迎え撃ちます。 | |
3028B → | |
列車との距離が近いことから高速で通過されると撮影するのが結構難しいのですが、気合いを入れたお陰か何とか見られる出来に仕上がってくれたかな。いやいや、撃沈しなくて良かったです。あとはその20分後に八戸へと向けて通過していく3025Bを撮ってこのいわて沼宮内での活動も終了。3030Bの発車時刻までの約40分間はそれまで撮った写真の整理などをしつつ、誰も居ない待合室でゆったりと寛いで翌日の予定などを考えたりしていました。 |
21-9.3030B(J編成): いわて沼宮内19時22分発→盛岡19時35分着 | |
待ち侘びた3030Bに乗車しいわて沼宮内を発つと、次の決戦の舞台となる隣の盛岡を目指し南下します。たった13分という短い乗車時間ではありましたが、車内では寝落ちしていた時間も…。 |
21-10.盛岡の決戦 : 驚きの上本1時間10分停 | |
3030Bを下車すると21日4度目となるS11編成との決戦に備えて準備を始めます。ただ、同編成の入線番線に関しては現地入りするまでよく分からなかったので、それはこの盛岡での決戦における不安材料の1つとなっていました。というのも、9887Bは八戸まで行かずに盛岡にて折り返すとのことだったのですが、折り返しに際して1時間10分もの時間があったんです。そうなると、02月に行われたR21編成との併結走行試験の時のように盛岡新幹線車両センターに一旦入庫してしまう可能性が高かったんですよね。 |
そして、盛岡新幹線車両センターに入庫する場合は61Bの後を追って下1番線へと入線し数分程度の停車時間で以って発車してしまうだろう…そんな予想をしていました。かつてのE954形の走行試験の際にもそうでしたし。でも、せっかくの決戦ということでやはり足回りの写る本線側に入線して欲しいというのが本音だったり。それ故に、現地に降りて下1番線の発車案内にS11編成のものと思しき『回送』の表示がないのを確認した時は正直驚きました。 | |
61B → | |
また、下1番線に入線しないことで同時に盛岡新幹線車両センターへ同編成が入庫する可能性もかなり低くなります。加えて、下本線にはS11編成の前走りで61Bが入線することから、そこに9887Bが入線してくることもありません。となれば、上本線への入線でまず間違い無い。 | |
…そんなことを思いながらどちらのホームから狙おうか迷っていると、下りホームに居合わせた方から何とも嬉しい知らせが飛び込んで来ました。その方の話によれば、9887Bは上本線へと逆走入線しそのまま折り返し9888Bとして再び仙台へと上って行くとのこと。つまりまさかの上本線1時間10分停車という訳です。期待はしていましたが、本当にそれが実現するとは驚きました。 |
↑ 2枚とも、9887B - 9888B & 61B |
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20時頃に上りホームへ回送列車到着の案内放送が入ると、程無くしてS11編成が上本線へと入線。暫くは前照灯のままでしたが、数分して尾灯に切り替わったので改めて下本線のJ69編成との並びを狙います。本当は前照灯から尾灯に切り替わる瞬間が撮れたら良かったのですが、流石にそこまで上手くは行かず(汗)。あとはレンズを広角に切り替えて下りホームへと向かいます。移動中にはJ69編成が盛岡新幹線車両センターへと向けて下本線から発車。いやいや、丁度良いタイミングで助かりましたよ。 |
下りホームへと上がると、まずは八戸方から編成全景を撮影。その後は各車両ごとの形式写真を撮りつつ東京方へと向かって行きます。9888Bの発車時刻は21時過ぎだったのですが、先発の3032Bで仙台へと先回りするつもりだったこともあって、正味の撮影可能時間はおよそ40分程。最初の10分は上りホームに居たため、この時点で残りの猶予は30分程度だったかな。でも、30分もあったとは言え、スローシャッターで形式写真を1枚1枚正確に撮影していたら意外とあっという間に時間が経ってしまいましたね。 |
← 4枚とも、 9887B - 9888B |
まだまだ撮りたいカットはありましたが、前照灯が点灯した東京方からの編成全景を収めたところで時間切れです。あとは盛岡20時41分発の3032Bに乗車し、9886Bよりも一足先に仙台へと戻りました。 |
21-11.3032B(J5編成+R編成): 盛岡20時41分発→仙台21時25分着 | |
車内では仙台まで殆どの間寝ていたかな。きっと1日の疲れが溜まっていたのでしょう。起きたのは仙台に着く直前でした。少しばかりではありましたが、仙台での21日最後の決戦に向けて体力回復と言った感じですかね。 |
21-12.締めの仙台 : 戦いはまだ終わらない | |
3032Bを下車すると、21日最後となるS11編成を迎え撃つべく上りホーム東京寄りへ。9888Bは下本線入線だったことからホーム端に陣を構えます。2009年秋の深夜帯走行試験時には時間の制約があった関係で、東京方からの編成全景というのはまだ撮影したことがありませんでした。そこで、今回はまずそのカットを撮った後でそれ以外の構図を見つけていこうと考えたのです。 | |
3033B → | |
21時42分には3033Bが下本線へと入線。この列車で明るさなどの最終確認をします。それからおよそ10分程で下本線に回送列車到着の案内放送が入電。21時54分頃、いよいよS11編成が下本線へとやって来ました。 |
停車後尾灯に変わるまでは1分程度の時間があったため、比較的余裕を持って編成写真を押さえることが出来ました。その後は盛岡での戦いの時と同じように形式写真を撮りつつホーム中央付近へ。さらに一通り海側からのカットを撮り終えると、下りホームへと移動し発車時間までの間は山側から車両を狙います。 |
↑ 4枚とも、9888B - 9889B |
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こうして22時10分頃には9889Bの発車時刻となり、S11編成は長旅を終えて仙総所へと帰って行きました。が、しかし…。21日の活動は蓋を開けてみればまだ終わりではなかったのです(驚)。実はこの時S11編成の後続…98Bの後を追ってもう2本臨時の回送列車が走行していました。目撃情報からそのことを知った私はこの棚ぼたな状況に思わずびっくり。そのため、予定を少しばかり変更して仙台でそれらを迎え撃つことにしたのです。まず1本目の回送列車はJ70編成。J70編成と言えば、20日に走行試験のために営業列車では初めて未開業区間の八戸〜新青森間へと入線したE2系です。ただ、J70編成の方は98Bが下本線に居座っていた関係でまともな編成写真は撮れず終いでしたが…(汗)。そして、2本目がこれ。 |
↑ 2枚とも、9956B - 9955B |
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そう…、21日の最後の締めはこのS51編成だったんです。S51編成と言えば、18日未明の八戸〜新青森間での走行試験中に、新青森手前に位置する三内丸山架道橋付近で停電により立ち往生するというトラブルに見舞われたことが話題となりました。20日には自走出来なくなった同編成をJ70編成が盛岡新幹線車両センターまで牽引するという珍しい光景も見られたようですね(汗)。そのS51編成が盛岡新幹線車両センターでの修理を終えて自走出来る状態になったことで、いち早く仙総所へと返すべく臨時で手配が掛けられたようです。まぁ、確かにS51編成自体は通常の電気軌道総合測定でも頻繁に走ってはいますが、こうしていつもは見られない時間帯に見られたということで、嬉しさも大きいんだと思います。 S51編成は上1番線におよそ20分程停車し、23時15分頃に仙総所へ向けて発車。そして、それを見届けると私の21日にの活動も今度こそ終了です。あとは宿泊先のホテルへと向かい、長かった1日に漸く幕が下りました。 |
22-1.108B(L編成+P編成): 仙台09時44分発→東京11時56分着 | |
22日は08時頃に起床し、チェックアウトの前に少しだけ行き交う列車を撮影していたかな。午後から非鉄な用事が控えていた関係で昼過ぎには中部地方へ戻らねばならず、22日の活動はこのほんの僅かな時間だけです(溜息)。 | |
46B 古川〜仙台間にて → | |
午後からはS11編成も仙総所〜小山運間を走ったようなので、本音を言えば夕方まで東北新幹線沿線に居たかったんですけどね(溜息)。でもまぁ、21日に十分堪能出来た訳ですから、今回出撃した甲斐はそれでも十分にあったのではないかなって思っています。 | |
仙台からは09時44分発の108Bに乗車し、乗り換え無しで東京へ。乗車時間が2時間程あったため、車内では仮眠タイムなひと時もありました。 |
22-2.33A(Z編成): 東京12時10分発→名古屋13時51分着 | |||
東京からは14分の乗り継ぎで33Aへと乗車。こちらも車内放送を録音した他は特に忙しなく動くことも無く、自席でゆったりと寛いでいたかな。108Bの車内に居た時と同じく車内では仮眠を取っていたので、名古屋までの1時間40分はあっという間でしたね。 | |||
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こうして33Aで名古屋へと戻ると、2010年04月の東北遠征の全行程もこれにて終了。後は密度の濃かったこの1日半の出来事を振り返りつつ夕方からの非鉄な用事へと向かいました。 |
▼.第5章〜第6章執筆を終えて | |
2010年04月のこの東北地方への遠征では、S11編成の走行試験を存分に狙い撃つことが出来たのが何と言っても一番の収穫だったと思いますね。特に、今回は折り返し駅での停車時間が長かった上に、それらの駅における入線番線等の撮影条件もかなり良かったことで、一層の満足感を得られたように感じています。さらに、今まであまり狙えていなかった日中時間帯の走行試験をも失敗無く捕えられたことも合わせれば、行った甲斐は十二分にあったことでしょう。 ここに、この場をお借りして今回の遠征に関わって下さった全ての皆様に対してお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。また、いつも当サイトにお越し下さっている皆様には大変感謝しております。ありがとうございます。 これからもご来訪下さる皆様方のご期待に添えることが出来るように努力して参りますので、当サイトを末永く宜しくお願い致します。 |
さて、2010年03月末で基本性能試験を終えたS11編成は、現在乗務員訓練を兼ねた耐久試験の真っ最中です。基本性能試験で見られたような目立った条件変更はもう見られないでしょうが、暫くは南は大宮・北は八戸までかなりの広範囲に渡って走行する機会が多くなるのではないだろうかと予測しています。となれば、実はここ数ヶ月が"S11"であるうちに同編成を記録出来る一番効率の良い時期なのかもしれません。 また、新聞社等を通じた独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の発表によれば、06月下旬には今冬開業する八戸〜新青森間での走行試験にS11編成も出動予定とのこと。八戸〜新青森間においてS11編成の姿を見られる日も間近に迫っている訳です。まぁ、未開業区間での走行試験は深夜〜早朝の時間帯で尚且つ駅等に入れないことから、その時だけは迎え撃つにも難儀でしょうが…(汗)。でも、願わくはそんな未開業区間での走行試験をも何とかして迎え撃てたら…などということも思っていたりします。 |
他方で、E6系の量産先行試作車S12編成も間もなく登場予定です。こちらの方も最初は仙台〜北上間での深夜時間帯における走行試験から始まるため、最初のうちは撮影条件としてはかなり厳しいものがあるはず。ですが、こちらも大いに注目の的だと言って良いでしょうね。…S11編成と間もなく登場するS12編成の勇姿を、今後両者が量産化改造を受けるまでの間にどれだけ見届けられるかは、まだ今の私にもよく分かりません。しかし、"S11"・"S12"としての貴重なその姿を可能な限り記録していきたいという想いはこれからも変わりません。…そんな切なる願いを東北路に吹く茜翠の疾風へと込めて、今後も彼らを追い続けて行きたいものです。 |
*** 第6章 探求編 終 *** |
2010.05.05 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS |
◆.追記 |
2010年04月に東北地方へと赴いてからはや四ヶ月が経過した2010年08月下旬。今度は3泊4日という万全の態勢で旅支度を整え、再び東北地方へとへと出撃して来ました。そして、今回の遠征では耐久試験で走り込みを続けるS11編成に加えて、2013年春の営業運転開始に向け走行試験を始めたばかりのS12編成の勇姿をも捕えることに成功しています。営業時間帯に本線を疾走するS11編成とS12編成を少しでも多く狙い撃とうと奮闘した結果、密度の濃い四日間を過ごすことが出来ました。さらにはそれだけに留まらず、第一回目の遠征から二週間が経過した頃に再度東北地方へと出撃。第二回目の遠征は、予算の関係上往復共に夜行バスで現地滞在13時間半・車中2泊というかなりハードな旅程ではありましたが、それでもS12編成が日中に走行する様子を無事見届けることが出来、嬉しく思っています。そんな2010年晩夏の二度に渡る東北遠征の模様をお伝えしているのが、次の第7章『逢会編』から第11章『隼撃編』です。五部構成という量の多さからも、密度の濃かった日々を連想して頂けるのではないかな。それでは、どうぞ〜。 |
2010.10.01 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS |
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