去る2009年07月25日に仙台市にあるJR東日本新幹線総合車両センター(以下:仙総所)にて毎年恒例の一般公開イベント『新幹線車両基地まつり in 仙台』が開催されました。体験列車を始め一部のイベントには事前の申し込みが必要ですが、広大な敷地内では車両や部品の展示の他、検査・修繕作業の実演なども行っており、間近で新幹線を体感出来る見どころの多い催しです。新幹線ファンなら誰しも1回は行く価値のあるイベントなのは間違ありません。
 新幹線ファンの1人として、私も今までずっと行ってみたいと思っていました。ただ、中部地方から東北地方ともなるとそう簡単に出撃出来る距離ではないため、これまではなかなか行けず(汗)。でも、今年は何とか都合を付けることが出来たのと、高速道路1000円の恩恵に預かって漸く出撃することが出来ました。今回の遠征旅行記はそんな仙総所内での熱い1日を記録した撮影紀行です。
25-1.E5系との初対面
 24日に愛知県を出発し、中央道・北陸道・磐越道・東北道経由で仙台入り。途中のSAで仮眠を取っていたため、仙総所に着いたのは25日の07時頃でした。現着後まず最初に向かったのは着発線の見える東側です。着発線の一番東寄りにはE5系S11編成が留置されていました。E954形S9編成の本線最終走行日となった2009年06月15日深夜より走行試験を開始したS11編成は、現在は専ら深夜帯における基本性能試験の真っ最中。この2ヶ月間は私も都合が付かず走行試験を見に行くことが出来ませんでしたので、これが同編成との初対面となりました。
 車体形状も然ることながら、やはり常盤グリーンを基調とした車体のエクステリアデザインもインパクトが大きいですね。25日はE5系の奥にE954形も並べて留置してあったため、その色の違いもはっきりと見て取ることが出来ました。この両者の並びも僅かな期間しか見られないでしょうから、それを考えると貴重な1カットになったのではないかな。
 一通り敷地外の農道から撮影し終えると、一旦駅へと戻り今度は利府線に乗って仙総所へ。新利府到着前には着発線でE5系とE954形がお出迎えです。車内では思わぬお出迎えに来場客の方々も歓声を上げていました。しかし、車内からの撮影は構図を誤ってまさかの撃沈(汗)。これは悔しかったですね。仕方ないので下車後ホーム上から苦し紛れに1枚撮って、場内へと急ぎました。
25-2.出庫列車を狙う
 場内に入ってまず最初に向かったのは台車工場の横です。そこから奥に止まっていたS51編成を狙おうとしていました。すると、検修庫の方から警笛が。何が来るのか気になったため、S51編成を後回しにしてその方向にカメラを構えてみたんです。でも、出庫して来たのは何のことはない体験列車のE2系(汗)。が、次の瞬間、何とそれに並走してK47編成が出庫して来たんですよ。まさか同編成が検修庫内にいるとは思ってもいませんでしたので、これには驚きましたね。
 K47編成の出庫を撮影し終えると、次は台車工場内へと向かいます。
25-3.新幹線の足回り
 台車工場内では足回りの部品が各所に置いてあったので、それを見て回ったかな。どれも普段は見ることの出来ない代物なので、興味深いものが見られたと思いますね。
 この他にも台車関係の修繕の様子が場内様々な場所で実演されており、とても見応えがありました。ただ、時間の関係で写真は殆ど撮っていません(汗)。次回行く機会があれば、その時こそは色々と写真を撮りたいものです。
25-4.体験列車に乗る
 台車工場内を一通り散策し終えると、そろそろ体験列車の集合時刻が迫っていました。今年の基地まつりはE5系もE954形も展示予定はなく、体験列車車中からしか見られないということを聞いていましたので、予め応募しておいた訳です。
 25日に体験列車の役目を担っていたのはP3編成でした。車内に乗り込んで少しすると、もう発車時刻です。検修庫を出た同編成は洗車機を通り抜けて、いよいよE5系とE954形が留まっている着発線へ。緊張のひとときです。
25日の利府町上空は午後になると空も青く澄み渡ってくれたので、E5系の緑色もとても綺麗でした。敢えて悔やむとすれば、洗車機を通ったことで窓硝子に水滴が付着しそれが写り込んでしまっていることでしょうか。でも、こればかりは致し方ありませんからね(汗)。
E5系の前を通り過ぎて着発線の奥の方に進んでいくと、次はその手前にS9編成が出現。後ろにS11編成が写っているため、これも貴重な1カットとなりました。
今回の基地まつりでは、S9編成の停車位置をずらすことでS11編成とS9編成の両方を見られるようにしてあったため、両者の顔並びは残念ながら実現していません。けれども、間もなく編成としてその姿さえも見られなくなってしまうであろうS9編成のことを思えば、こうして背景にどちらかの車両が写り込んでいるだけでもその意味は大きいのではないかと思いますね。来年の基地まつりでは恐らくS9編成の姿はもう見られない可能性が高いですし…。
 さてさて、着発線の先端で折り返すと、次は反対側の200系が屋外留置してある辺りへと向かいました。ただ、この屋外留置の4両は言わば『保存という名の放置』と言った感じが否めず(汗)。外壁はかなり朽ち果てていましたし、錆や水垢で見た目も綺麗なものではありません。保存するならしっかりと整備して一般公開エリアに保存して欲しいなと思うのですが、きっと今後もこのままなんだろうなぁ(汗)。
25-5.展示車両を撮る
 体験列車から降りると検修庫内に留置してあったR25編成とJ68編成を撮影。こうやって列車の真正面から撮影出来るのも車両基地の一般公開イベントならではですよね。ただ、光量不足でシャッター速度を稼げなかったが故に、撮っても撮ってもなかなか上手くいかず(焦)。何とか見られるまでの出来に仕上げるまで30分以上掛かってしまいました(汗)。でも、それだけ頑張った甲斐はあったのではないかな。
その後は台車工場内の展示車両を撮影。L71編成やM2編成を始めS51編成も展示してあり、車両の周辺は大賑わいでした。
こうしてゆったりと基地内を散策しているとあっという間に15時に。今回は初めての訪問だったこともあってまだまだ回りきれてない場所も多かったのですが、そろそろ帰路に就かないと予約していた宿に着かないかもしれないということで、ここはこれにて撤収せざるを得ず。まぁ、でもこればかりは仕方ないことですからね。次回こそは全て回れると良いなぁ。

▼.あとがき
 今年の幹鉄夏祭り2009『新幹線車両基地まつり in 仙台』は、初参加ということもあって全てが新鮮で、大変満足の行くものでした。間もなく姿を消すであろうE954形S9編成や06月から走行試験を開始したばかりのS11編成などの貴重な光景を始め、検査の様子など数多くの場面を写真に収めることが出来、充実した1日となったことは間違いありません。両編成が検修庫内で展示されなかったのは残念でしたが、それでも十分価値のある一般公開となったことでしょう。
 これからもご来訪下さる皆様方のご期待に添えることが出来るように努力して参りますので、当サイトを末永く宜しくお願い致します。

2009.08.02 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS



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