続く第7章『決戦編』は、2008年09月18日の撮影紀行です。前章と同様に列車本数が少ない盛岡以北で半日以上沿線撮りをしていたので、写真は少なめかな(汗)。 |
|
18-1.困難を極めた1往復目 | |||
18日は盛岡を07時59分に発車する3095Bに乗車し、二戸へ向かいました。前日と同じく沿線へと繰り出すためです。二戸からIGRいわて銀河鉄道に揺られること暫し、金田一温泉にて下車すると早速撮影地を目指して歩きます。とは言え、駅から新幹線の線路まではそう遠くはないので10分足らずで到着。でも、問題なのはここからです。 |
|
||
この場所はトンネル横の斜面から撮影すると聞いていたのですが、どうにも入り口が見つかりません(汗)。海側の少し離れた場所から迂回するのかと思いきや、歩いて回れる範囲の山道は途中で行き止まりになってしまっていてこれ以上先へ進めず(滝汗)。かと言って、線路の山側は切り立っていてとても登れる形相ではない。…どうしたら良いのか非常に迷いましたね(汗)。それもそのはず。この場所は車などで少し迂回して山の上から入るのがセオリーな所だったのです。ひょっとしたら季節を選べば何とか無理無理にでも登ることが出来たのかもしれませんが、私が行ったのは初秋。まだ草や木が覆い茂っていたため、登れる余地など殆どなかったのです。これには本当に参りました。何せ電車の本数も少ない所。この際この場所での撮影を諦めて二戸へ移動しようかとも考えたのですが、それでは既に9881Bの通過には間に合わない事態になっていたんです。惜しくも陸橋の下から見送るのみとなってしまうのか…。そう考えると悔しさで一杯でした。 そうして至った結論。それは、気合いと根性で藪漕ぎして登りきるというもの。撮影出来ずに地団太踏むのだけは嫌だったので、何としても登ってやろうと決心したんです。荷物も複数持っていましたし、登山用の服装でもありません。それでも、懸命に登りました。こうして登り口を探し始めてから約40分後、漸く撮影ポイントへと到着。この時の喜びは何にも代え難いものでしたね。しかし、前走りの3001Bはピン甘で失敗するという非常によろしくない状況(汗)。なので、本番は余計緊張しましたよ。ここまで苦労して登ったのに撃沈したら…なんて考えるとそれだけで冷や汗ものです。…3001B通過から約10分後、遂にトンネル内より地響きと共にS9編成が現しました。 |
← 9881B 二戸〜八戸間にて |
結果は無事成功。3001Bの時に失敗したピントも今度はちゃんと合ってくれており、文句無しの1枚となりました。いやいや、本当に良かった。気合いと根性で登った甲斐があったというものです。 |
こうして困難を極めた9881Bの撮影も無事終わり、漸く一安心。とは言え、折り返しまでの時間はそれ程ないので、通過後は即座に撤収して大急ぎで反対側の山へと向かいました。上りの撮影場所は公道上から難なく撮影出来る場所です。ただ、馬淵川がある関係で新幹線の線路のように直線では行けないのが難点なんですよね。仕方なく一旦駅の南側を迂回して向かいましたた。結局到着したのは通過時刻ギリギリで、焦って準備していると程無くして再びS9編成が登場。でも、こちらも何とか成功してくれたので良かった。急いで坂道を駆け上がったのが無駄にならず嬉しく思っています。そして、これにて漸く午前の部も終了といったところですね。 | ||
← 左から、9882B 3012B 2枚とも、八戸〜二戸間にて |
18-2.リベンジを掛けて | |
金田一温泉付近で9882Bを撮影した後は前日も訪れた北高岩近くの撮影地へ。ここで9883Bと9884Bを狙います。まずは9883B。17日の通過時刻を確認し、それに合わせてカメラの準備をします。けれども、まだ構図が決まらないうちにトンネル内から地響きがするではないですか(汗)。前日よりも10分程早くやって来てしまったんですよね。しかも、通過数秒前に太陽が分厚い雲の中に隠れるという悲惨な状況のため、撮った写真は真っ黒(泣)。でもまぁ、あれだけ真っ黒なのを見れば多少構図が定まっていなくて失敗しても諦めは容易に付きましたよ。 それよりも勝負はこれからです。前日失敗した上りをどうリベンジするか。17日は三脚を使用しなかったがために尻を切ったので、18日は何とかして三脚を使用。構図も明るさも全て良い感じに調整し、通過20分前くらいには迎え撃つ準備が出来るくらいの万全の態勢でした。けれども、ここでまた懸念事項が(溜息)。何とまたしても通過時刻の5分前位から太陽が雲の中へ入ってしまったんです。それも、構えているポイントの数百メートル後ろには陽が当たっているという無残な状態でした。結局、9884B通過時も陽の光は当たらず終いでリベンジ失敗です。午前中の9881B撮影時に1日の運を全て使ってしまったのかなぁ。 |
|
9884B 八戸〜二戸間にて → |
18-3.八戸で暫しの休憩 | |||
9884Bのリベンジに失敗して再度肩を落としつつ、北高岩から乗車したのは八戸行き。ただ、この時間は八戸で東京方面への接続が考慮されていないことから、次のはやてまで1時間以上も待たねばなりません。でも、朝から動きっ放しだったので丁度良い休憩時間にはなりましたね。盛岡へは16時06分発の3022Bで帰還です。 | |||
|
3022B → |
18-4.夕暮時の盛岡にて | |
盛岡では上下共に下1番線へ入線するため、足回りまで撮影出来るのは列車がホームに入る前に限られます。16日も17日も夜間撮影だったためそれが出来ませんでしたが、18日の撮影は3往復目でまだ日の入り前。ということで、カメラには望遠レンズをセットして列車の入線を待ちました。そうしたら、今度は直前まで雲の中に隠れていた太陽が列車の入線時に運良く顔を出してくれたんです。当日の天気予報から夕方の盛岡市上空は曇りであまり綺麗な写真は撮れないだろうと考えていたので、僅かではありましたが陽の光が射してくれたのは本当に嬉しく思いましたね。入線後はロゴマークなどを撮影。およそ2分停車した後、八戸方面へ向けて発車して行きました。 | |
2枚とも、9885B ↓→ |
|
↑ 9885B 盛岡入線 |
9885Bの発車を見届けると一旦ホテルへ戻って荷物を整理した上で、今度は64Bで北上を目指します。 |
18-5.夜の部は流し撮り |
北上では上り9886Bを迎え撃ちます。でも、辺りは既に真っ暗。従って流し撮りしか方法がない訳ですが、結局満足のいく成果は出せず。それは後の9887B-9888Bでも同じでしたね。こちらは新花巻にて迎え撃ったものの、どちらも早切りで失敗です(汗)。やはり流し撮りは難しいですね…。 |
↑ 9886B 北上にて |
↑ 9887B 2枚とも、新花巻にて |
↑ 9888B |
▼ |
こうして新花巻で9888Bを見送ると18日の活動も終了。いよいよ今回の遠征も終盤に差し掛かって来てしまいました。何だかあっという間の3日間だったような気がしますね。18日も17日同様盛岡以北での活動が主だったため、撮影枚数はかなり少なめです。しかし、駅にいる時とはまた違った楽しみ方が出来た1日だったのは間違いないかな。特に、金田一温泉での9881Bの撮影に成功したのはとても大きな成果だったと思います。遠征中に撮った写真の中でも会心の1枚に仕上がりましたし。午後の1往復は満足したとは言い難い結果になってしまいましたが、それでも十分充実した1日だったと思います。いよいよ残りはあと1日。しかも、最終日を飾るのは遠征のクライマックスに持って来いとも言えるS9編成とS10編成の併結走行試験です。2008年秋の東北遠征を締め括るに相応しい内容となっていますので、最終日の撮影日記である第8章『併結編』も是非御覧下さい。 |
*** 第7章 決戦編 終 *** |
BACK | TOP | CLOSE | NEXT |