*** CONTENTS *** Firsthand Inquiry Preparations Try My Best


*** 遠征旅行記執筆にあたり ***
 2011年03月12日の九州新幹線鹿児島ルート全線開業まで四ヶ月と迫った2010年秋。『みずほ』と『さくら』に使用されるJR西日本所有のS編成は11月末までに7本が落成。足慣らし試運転を終えた後も山陽区間にて時たま試運転を行っています。博多〜新八代間では2010年08月31日から11月19日までのおよそ二ヶ月半に渡り独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構主導の走行試験が進められ、2010年11月22日付でJR九州への設備引渡しが完了。11月23日からは乗務員訓練も始まり、同日にはR1編成も営業時間帯では初となる鹿児島中央への入線を果たしました。S1編成も2010年12月中旬現在では博多〜新八代間で走行試験を行っており、山陽・九州新幹線相互直通運転開始に向けた準備が着々と進んでいるのが窺い知れる今日この頃ですね。
 けれども、直通運転が始まれば山陽・九州新幹線の運行形態は大きく様変わりすることになります。山陽新幹線においては主力列車が『ひかりレールスター』から『みずほ』や『さくら』へと変わることで、E編成は順次第一線から退き『こだま』運用へと転用されていくことでしょう。そのため、100系も活躍の場を追われる形で2011年度末には引退の運命を辿ることが既に決まっています。また、300系も同じく2011年度末には東海道区間から姿を消すことが決まっており、山陽区間でも既に風前の灯状態です。
 そこで新旧車両の世代交代が本格化する前に、100系や300系と言った消えゆく運命にある車両達を始め、程無くして第一線を退くであろう車両達の勇姿を少しでも多く捕えようと、どうにか都合をつけて11月上旬及び中旬の二度に渡り山陽地方への遠征を計画。第一回目は11月06日〜07日に岡山県へ、第二回目は11月19日〜22日に山口県へとそれぞれ出撃するに至りました。第一回目では博多総合車両所岡山支所にて開催された一般公開へと参加。第二回目では周南市内を始め沿線各地での撮影にも奮闘しました。今回もそんな内容盛り沢山の遠征旅行記ですので、是非とも最後までご覧下さいね。

 では、最初は2010年11月06日から07日に掛けての、2010年晩秋第一回目の山陽遠征における撮影紀行『探訪編』です。

6-1.西を目指して
 06日は自宅を07時頃に出て東名・名神経由で西明石へ。最初の標的は本線検測のために東上するT5編成です。駅に着いたのは11時頃だったかな。途中渋滞に填まったこともあって、いつもより所要時間が多めに掛かってしまいました。


 ↑ 20A


 ↑ 552A


 ↑ 120A
構図を調整していると最初にやって来たのはN2編成充当の20A。望遠で迎え撃ったところ、こちらは良い感じに決まりました。でも、この日の明石市上空は雲一つない青空。そうなるとやはり広角で空を入れて撮りたくなるんですよね。そこで、構図を広角に変更し後続の列車を捕獲。けれども、前走りの552Aでは満足のいく位置でシャッターを切れたものの、肝心のT5編成では緊張のあまりまさかの鼻切れをやらかす羽目に(涙)。雲一つない澄んだ青空だったこともあって、尚更悔しかったですよ。う〜ん、またリベンジしなくては…。
 4984Aの通過を見届けると西明石からは撤収し、続いては吉井川へ。ここを訪れるのも久しぶりです。そういえば、2008年12月14日の0系最終運転日にはこの場所にも多くのファンが集結してその勇姿を見送ったんでしたよね。あの時は博多から広島まで9340Aに乗車し、福山へと先回りした後再度9340Aを迎撃。その後は新大阪で9347Aの出発式を撮影…ととにかく0系三昧の二日間を過ごしていたのを思い出しました。あれからもう二年とは時が経つのは早いものです。
33A →   
 そんな吉井川では、始めは右岸側の堤防から下り列車を撮影。その後は左岸側へ移動して背景の山々と共に遠景で通過する列車達を狙ってみました。今度は澄んだ青空が綺麗な一枚に仕上がったかな。列車本数がそんなに多くはない時間帯だったので、撮影枚数は少ないですが、それでも澄んだ青空が映えるカットを撮ることが出来、嬉しく思っています。


 ↑ 480A


 ↑ 31A


 ↑ 566A 4枚とも、相生〜岡山間にて


 ↑ 44A
 16時頃には光線も徐々に赤みを帯び始めていたため、岡山市内へと移動して夕暮時の情景をカメラに収めます。ただ、夕陽が一番綺麗な時間帯はどうも成功率が悪く、何とか見られる出来に仕上がったのは結局この44Aのみ(汗)。あとは日没後の撮影となってしまいました…。まぁ、そんな間の悪い日もたまにはあるということなのでしょう。


 ↑ 46A
  

 ↑ 484A 3枚とも、岡山〜相生間にて
 でも、その変わり日没後に流し撮りで狙ったカットは結構良い感じに写ってくれました。真っ暗になってしまうと流石に殆ど撃沈でしたが、西の空にほんのりと明かりが残っている中走り去る車両達を何枚か撮れただけでも粘った甲斐はあったと思いますね。
6-2.夜も更ける頃
 18時頃まで沿線で流し撮りに奮闘した後は、ホテル経由で駅へと繰り出します。ホームへ上がると、まずは上1番線に入線して来たK52編成を撮影。以前は岡山止の『こだま』も上本線で毎時のように折り返していたこともあったのですが、現在は上1番線への入線が殆どなこともあって夜はなかなか撮りにくいですね(汗)。その後は上下ホームを行ったり来たりしつつやって来る車両を迎え撃ちます。広島行きの769Aには青白塗装のK55編成も充当されており、有意義な時間を過ごせました。
769A →   
 また、E編成も九州新幹線との直通運転が始まれば第一線から順次退くことになるので、お決まりの構図ではありますが欠かさず記録します。『ひかりレールスター』として本線を勇ましく駆け抜ける姿も悔いのないように押さえておきたいものですね。


 ↑ 760A


 ↑ 766A


 ↑ 580A
 22時半頃には撮影も一区切りついたので、06日の活動もこれにて終了。あとはホテルへと戻り、翌07日の岡運一般公開へと備えました。

7-1.一般公開を前に
 07日は朝7時前に起床し朝練がてら駅へ。その理由は一般公開で展示されるS編成の送込回送にありました。
   ← 8850A


 ↑ 543A


 ↑ 8713A


 ↑ 729A
 8850Aとして岡山へやって来たのはS5編成。実はS編成の量産車両を見るのは今回が初めてだったりするんですよ。殆ど本番一発の状態だったので緊張しましたが、満足のいく出来に仕上がって良かったです。そして、8713Aの続行で上1番線にやって来たのは広運から東上するK55編成。前夜769Aに充当されていたのをこの目で確認したので、ひょっとしたらと思って待っていたら案の定やって来てくれました。
FG塗装の100系も良いですが、やはり100系と言えばこの色も忘れてはいけないですよね。雨脚が強くホーム端での撮影には結構苦労しましたが、短時間のうちにS編成と100系の青白塗装の編成を両方迎え撃つことが出来たので、出向いた甲斐がありました。
7-2.勝負は開門直後の十数分!!
 駅から戻ると急いで出撃準備を整え、09時過ぎの電車に乗って北長瀬へ。改札を出たところで右のような入場証を受け取り、足早に岡運へと向かいます。それにしても、この記念入場証はなかなか力が入っていますね。もっと簡易的な整理券のようなものだとばかり思っていたので、記念入場証として形に残るものを貰えたのは有難かったです。岡運へは駅から徒歩5分程で到着。既に多くの方々が来場されており、敷地周辺はかなりの賑わいでした。そのため、開門時間も少し早めだったように思います。
 開会式を経て構内への入場が始ると最初は展示されているB1編成、V9編成、P8編成を記録するべく早速慌ただしく動いていました。他の来場者の方々が運転台見学やS編成の車内見学等で列車の中に居る間に展示車両の撮影を済ませてしまおうという魂胆です。となると、勝負は最初の十数分。その間に取り合えず一通りの編成写真は撮影しておかなくてはなりません。
  
 案の定、10時半頃には各車両の先頭部に徐々に人が集まり始めていたように思います。そのため、その頃にもなると「背景も含めて純粋に車両しか写っていない」という写真を撮るのは難しくなっていました。
7-3.着発線を出入りする車両達
 展示用の車両を一通り撮ると次は稼働中の着発線が見える場所へと移動。南側の着発線に出入りする車両達は敷地外からでも何とか撮影することが可能ですが、北側は鉄塔などがあり敷地外からでは撮ることが出来ません。そのため、今回の一般公開ではそこへ出入りする車両たちを何としても押さえようと心に決めていたんですよ。
どれも自分の中では良い感じに撮れたかな。そうこうしているうちにあっという間に時間は経ち、時刻は11時を過ぎました。ということは、いよいよ07日最初の標的であるK53編成が入庫して来る時刻。そこで、空線となっていた5番線へ入線すると予想し私もその前で臨戦態勢を整えます。
 けれども、11時10分頃に入庫して来たK53編成は予想に反してまさかの6番線へ(汗)。いやいや、留置中のP9編成の後ろへ付けるとは完全に予想の斜め上を行かれました。冷静に考えれば当たり前の光景なのかもしれませんが、この時の私はそんなこと考えもしていませんでしたしね。そのため、ここでは遠目にJ22編成と絡めて撮影しつつ次の編成が入庫して来るのを待つに留まります。
 因みに、上の写真は4番線に入線していたJ22編成が前照灯に切り替わっていた僅かな間に撮影した1枚。このJ22編成も今後いつ現役を引退するか分からないような状況にあるので、貴重な共演となったのは間違いないでしょう。
 さらに、K53編成がやって来た1時間後の12時台にも続けて青白塗装のK54編成が入庫。けれども、またしても入線番線の予想は外れる結果となってしまいます(汗)。その時は丁度2番線の前でスタンバイしていたので、5番線へと入線して来る様子は人垣の後ろから苦し紛れに撮らざるを得ない状況でした(溜息)。でもまぁ、そんな状況でこの2枚が撮れたと思えば、これでも十分奮闘した方なのかもしれません。


 ↑ 2枚とも、2721A


 
 K54編成が所定の位置に停まると、とにかく思いつくままシャッターを切っていたように思いますね。どのカットもこういった機会でもない限りはなかなか撮れない光景なので、大切な記録となりました。
 そんなこんなで展示車両よりも稼働中の着発線に出入りする車両を優先して狙っていたら、あっという間に13時に。いやいや、本当に慌ただしいひと時だったなぁ。
7-4.The Cockpit of TEC 100 - P09
 13時を過ぎると、車内見学等の受付締切時間もそろそろ迫って来ます。故に、この時間から参加可能なのもどれか一つだけ。そこで、運転台見学はこれまで実車では直にまだ見たことがない100系にしました。V編成やB編成の運転台は博総車でも開放していますが、P編成ではあまりそういった機会はなかったですからね。P8編成も引退の時期が徐々に迫って来ていることでしょうし…。
  
 順番待ちの列に並び、待つこと約一時間半。いよいよ自分の番が近づいて来ます。持ち時間は1分程度とのこと。これまで何回か運転台見学に参加していますが、いざ中に入るといつもなかなか思うようなカットを撮れず苦戦を強いられているのが実情なんですよね(汗)。そこで、今回もどういう構図で撮るかをいつも以上に念入りに確認し、運転台へと攻め入りました。
 中に通されたらまず一番最初に撮るべきカットが運転台の全景です。それを忘れず記録すると次は編成番号を車内から写し、さらに…と言う感じであとは様々な角度から運転台を撮影していたように思います。
ただ、夢中になって撮影をしているとあっという間に見学時間は終了。まだまだ撮れていないカットはありましたが、このP8編成もいつ現役を引退するか分からないので、貴重なひと時だったのは間違いありません。
7-5.締めはV9編成とS5編成
 P8編成の運転台見学を終え外に出ると、既に時刻は14時半。閉場まで残り30分を切っていました。そこで、ここに来て漸くまだ場内では一枚も撮っていなかったS5編成のもとへ。というのも、S5編成は記念撮影をする方々で絶え間ない人気ぶりだったため、殆ど近づいていなかったんですよ。なので、今回は最後の最後で数枚だけ編成写真などを撮影するに留まりました。
 営業運転が始まったら車内の写真も沢山撮りたいものです。早くあの豪華絢爛なグリーン車にも乗ってみたいですね。最後はV9編成の編成全景を押さえつつ、私も会場を後にしました。





 
以上が2010年晩秋第一回目となる山陽地方への遠征紀行です。博多総合車両所岡山支所の一般公開は2004年10月以来実に6年振りでしたし、私自身の参加も初であったことから、出撃出来て大変嬉しく思っています。そして、11月06日〜07日の遠征から凡そ二週間が経過した11月19日には2010年晩秋第二回目となる山陽地方への遠征を再び挙行。第二回目は100系や300系、それに700系等の勇姿を少しでも多く撮影することを目的に山口県へまで出向いて来ました。果たしてその成果は如何に??…ということで、それは続く『臨戦編』以降でのお披露目です。どうぞ引き続いてご覧下さいね。

*** 探訪編 終 ***



TOP CLOSE NEXT
inserted by FC2 system