|
この『決戦編』は2012年夏の上信越遠征最終日の08月16日の活動を綴った撮影紀行です。16日は午前中は高崎に、午後は上毛高原界隈に展開して活動を繰り広げていました。夏の暑き日に上信越地方にて繰り広げられた決戦の様子を篤と御覧あれ。 |
16-1.夏空の下で | |
16日の最初の獲物は越後湯沢始発の400Cです。この400CはM編成が充当する貴重な一本だったのですが、時間が早い故に都内起点では撮影が難しい列車だったんですよね。高崎を二日目の宿泊地選んだのも、そんな400Cを何とかして捕えたいという思いからでした。06時過ぎにホームに上がると、早速上りホーム新潟寄りで臨戦態勢を整えます。400Cの前を走る列車は通常は存在しないため、構図に若干の余裕を持たせてその時を待ちました。天気も言うこと無しの快晴で、撮影条件も申し分ありません。06時半過ぎに列車到着の案内放送が流れ、遂に姿を現した400C。いよいよ此処高崎での決戦の火蓋が切って落とされます。 |
← 400C |
結果は無事成功。低速とは言っても、初戦だけあって緊張感はなかなかのものでしたよ。無事思い描いた一枚を手中に収めることが出来て一安心です。400Cを見送ると、ホテルに一旦戻って朝食の時間。と言っても、P+P編成で新潟からやって来る302Cを撮影したかったので、そうのんびりとはしていられません。時間を気にしながらささっとご飯を済ませ、07時半過ぎには再びホームへと上がりました。 |
↑ 302C |
↑ 508E |
カメラの設定が終わったのは302C到着直前だったのですが、それでも何とか御覧の通り撮影成功。それにしても、DD車16両の迫力は何度見ても圧巻ですね。16両編成自体は東海道・山陽新幹線で見慣れていますが、E4系のオール2階建て車の16両編成では迫力も一段と増しています。302Cを見送った後は1307Cまで束の間のまったり撮影タイムということで、長野方面から渡り線を渡って本線を通過して行くN編成にも照準を合わせます。長野方面から来て高崎を通過する列車は、皆超低速なのがありがたいですね。早くこの構図でE7系も狙ってみたいものです。 |
↑ 2404C |
↑ 507E |
↑ 308C |
09時過ぎに308Cが高崎を発つと、再び決戦の時間がやって来ます。次なる獲物は越後湯沢〜東京間ノンストップの1310C。同列車はM編成が受け持つ中で唯一日中に高崎を通過する1本です。通過時刻が迫るにつれ、ホーム端にも徐々に1310C狙いの方が集まり始めます。09時10分、上りホームに列車通過の案内放送が入電すると、その場の緊張感も最高潮に達しました。そして…。 |
1310C → |
架線ビームの写り込みも無事かわし、無事作戦成功。いやいや、前々から撮ってみたいと思っていた構図だっただけあって、喜びと安堵感もひとしおでしたね。光線状態も最良で、このカットを無事手中に収めることが出来ただけでも遥々遠征した甲斐があった…そんな風に思える一枚です。 |
↑ 514E |
↑ 406C |
↑ 314C |
1310Cを狙い終えた後は、314Cまで活動を続けて高崎からは撤収。その間本線を疾走するE4系もちゃんと捕獲出来ました。唯一残念だったのはK編成の本線通過を狙えなかったことくらいでしょうか。2012年夏の時点では既に午前の早い時間帯に高崎を通過するK編成の定期運用は消滅してしまっていますので、致し方ないところですかね。願わくは、晴れの日に本線を駆け抜けるK編成を一度くらいは迎え撃ってみたいものです。 |
16-2.みなかみの戦い |
高崎を発つと今度は関越道経由で上毛高原へ。狙いは正午過ぎの6322Cです。通過予定時刻の10分くらい前に何とか駅の南の撮影地に着いたので、急いで準備をして決戦に備えました。 |
← 6322C |
↑ 412C |
↑ 9384C |
しかも、16日は1321Cの15分後ろをK47編成が臨回9713Cとして走行しているという何とも効率の良い状況だったんですよね。この調子で晴れてくれれば、前二日間とも苦い想いをしたK47編成も何とか仕留められるに違いない…そんな確信を持ちながら第二戦の時を待っていました。 |
でも、そんな悔しい想いをしている中で一つのサプライズがありました。実は1321Cを迎え撃つ前の12時50分過ぎ、ホームで撮影の準備をしていると突然時刻表に載っていないE1系が東京方面へ向かって通過して行っていたのです。どうやらこの日は本来充当予定だった200系に車両不具合があり、急遽予備編成として新一運に待機していたM4編成が出動することになったのだとか。そして、折返しの充当列車は通常K編成の1327C。となれば、それを押さえない訳には行きません。そこで、1327Cがやって来る頃に再びホームへ上がり、代走運用に就くM4編成を迎え撃ちました。 |
1327C → |
K47編成通過後は上毛高原一体もがっつりと曇ってしまったため、残念ながら燦々と降り注ぐ陽の光を浴びて疾走する勇姿を捕えることは出来ませんでしたが、それでも余命幾許も無いE1系の撮影機会が増えたことは自分にとって大きな救いだったと思っています。尚、時間は前後しますが、9713C通過後から1327Cを撮影するまでの間は、中山TN付近で1326Cを狙っていました。ただ、こちらも微妙な結果に終わってしまったんですよね(溜息)。でも、代走のM4編成を無事手中に収めることが出来たので、その悔しさはだいぶ軽減されました。 |
↑ 330C |
↑ 9715C |
↑ 8366C |
1327Cを無事仕留めると、2012年夏の上信越遠征もいよいよ残すところあと僅かです。最後は16時前にやって来るK47編成充当の8366Cを狙いました。こちらの出来栄えはまずまずかな。こうして16時には全ての活動を終え、関越道〜上信越道経由で名古屋へと帰還したのです。 |
さて、登場当初は全車両2階建て構造として話題を博すも、残念ながら21世紀の高速化の波には乗り切れることが出来なかったE1系。流石に最新技術が詰まったE5系には叶わずといったところでしょうか。2012年09月28日に定期運用から離脱した後も臨時列車として度々元気な姿を披露してはくれましたが、それも10月28日を以って終了。その後は順次新一運にて廃車・解体の路を辿ってしまっています。 一方で、E1系がラストランを迎えてからおよそ三週間後の2012年11月16日。『2013年01月下旬よりE2系を上越新幹線へ投入する』という発表がJR東日本からなされました。これは、言い換えれば、東北・上越新幹線の顔として開業当時から長年親しまれて来た200系の完全引退までもが直ぐそこに迫ってきているということに他なりません。E1系に続き、間もなく200系までも本線を駆け抜ける姿を見ることが叶わなくなってしまうとは寂しい限りですよね。しなしながら、これも時代の流れ故に仕方の無いこと。一足先に現役を引退したE1系の長年の活躍に感謝の意を表すると共に、余命幾許も無い200系の勇姿を可能な限り追い続けたいという願いを、今は唯々上越路に吹く朱鷺風に込めるばかりです。 |
*** 決戦編 終 *** |
*** 盆に吹く朱鷺風を追って 完 *** |
2012.12.09 THE SUPER EXPRESS since 1964 管理人 YOS |
BACK | TOP | CLOSE |